高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風とは

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高尿酸血症とは

 

高尿酸血症とは、身体の代謝過程で発生する老廃物である「尿酸」が過剰に蓄積する状態です。

性別や年齢を問わず、血清尿酸値が7.0 mg/dl以上で高尿酸血症と診断されます。

 

高尿酸血症の状態が続くと、血液に溶けきらなかった尿酸が結晶化(尿酸結晶)して関節や腎臓に沈着します。

関節に沈着した場合は急性関節炎(痛風)の原因となり、痛風発作そのものは解熱鎮痛薬による対症療法により短期的に改善しますが、根本的な問題である高尿酸血症に対する治療を行わなければ尿酸結晶はそのまま残存し、いずれ痛風発作が再発します。

腎臓に尿酸結晶が沈着すると尿路結石ができたり、腎障害を引き起こして様々な合併症の原因となります。

 

その他にも、高尿酸血症によって体内の活性酸素が増加して各種内臓の働きを低下させたり、動脈硬化を進行させるなど身体にとって悪い影響をもたらします。

 

「痛風」という理由

 

「風が当っただけで痛い」と表現されるほどの激痛が起こるため「痛風」と呼ばれますが、その正体は関節に沈着した尿酸結晶が引き起こした急性関節炎です。

足の親指の付け根付近に耐え難い激痛とともに発赤、熱感、腫脹を生じるのが典型的ですが、他の関節に発症することもあります。人によっては、ムズムズとした違和感やビリビリするような痛みなどの前兆を自覚する場合もあります。

 

痛風は男性の病気!?

患者さんの多くは30~50代の男性であり、女性が痛風になることはめったにありません。

これは、エストロゲンという女性ホルモンの働きによって、もともと尿酸を排泄する機能が男性よりも優れていることが理由とされています。しかし、女性も閉経後はエストロゲンの分泌が減少するため、血清尿酸値は上昇しやすくなります。

 

痛風は自然に治る!?

痛風発作による症状は、一般的に最初から激痛で始まり、24時間以内に最大の痛みとなりますが、この激痛はそのまま我慢して放置しても、軽いもので3日、ひどいもので1週間から10日もすると自然と軽快していくため、患者さんの中には過去の症状が痛風発作であったという認識がなく、高尿酸血症があることすら知らずに放置している場合が少なくありません。

高尿酸血症は糖尿病と同じように、普段の生活において明らかな自覚症状を伴わずに、徐々に進行し臓器障害を引き起こす怖い病気です。

 

 

高尿酸結晶・痛風の統計データ

 

厚生労働省によると、以下の統計データが報告されています。

・30~40歳代男性の3割が高尿酸血症
・痛風患者さんの37%はメタボリックシンドローム
・血清尿酸値 9 mg/dl台だと、6 mg/dl未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が40倍となる
・血清尿酸値 10 mg/dl以上だと、6 mg/dl未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が60倍となる

 

血清尿酸値の目標値 「6-7-8のルール」

 

血清尿酸値のコントロールにおいては、「6-7-8のルール」というものがあります。

これは、血清尿酸値が8.0 mg/dl以上は基本的に薬物治療が必要とされ、既に薬物治療が開始されている場合には6.0 mg/dl以下を目標とします。

薬物治療が開始されていない場合は、血清尿酸値が7.0 mg/dl以下は正常、7.0 mg/dl以上は高尿酸血症と診断されます。これは、血清尿酸値が7.0 mg/dlを超えると、高くなるにつれて痛風発作の発症リスクが高まるという報告があるためです。

また、血清尿酸値の高い方はメタボリックシンドローム(肥満、脂質異常症、耐糖能異常、高血圧症など)が既にあるか、その発症リスクが高くなるため注意が必要です。

 

血清尿酸値の「6-7-8のルール」というのは覚えやすい数字です。
ご自身の健診結果などを参照し、高尿酸結晶が疑われる場合は生活改善を試みてください。

 

高尿酸血症・痛風における生活習慣の改善

 

日常生活で注意するポイントを以下に書きます。

食事療法 

栄養バランスの良い、規則正しい食事を心掛けましょう。

外食はエネルギーの高いものが多いので、選び方に注意が必要です。
主食(ごはん・パン・麺などの穀類)・主菜(肉・魚・卵・豆腐など)・副菜(野菜類)のバランスが良い外食を選びましょう。

高尿酸血症の食事療法においてプリン体を控えることだけが注目されがちですが、三大栄養素(炭水化物、蛋白質、脂質)の過剰摂取によって肥満をもたらすことで、高尿酸血症の発症につながります。

また、尿のpHをアルカリ性にする野菜や海草類を積極的に摂取することで、腎臓での尿酸結晶の産生を抑えることができます。

 

プリン体の制限

栄養バランスの良い食事という意味では三大栄養素以外にも、特にプリン体は高尿酸血症の主な原因となります。

プリン体は旨味成分に多く含まれ、主菜を選ぶ際には肉類の内臓・魚卵・イカ・カニ・カキなどを控えるようにしてください。

 

運動

適度な運動は、肥満、脂質異常症、高血圧症などの改善だけでなく、高尿酸血症の改善にも効果的です。

しかし、負荷の強すぎる無酸素運動や有酸素運動であっても疲労を我慢してがんばり続けてしまうと体内の尿酸が蓄積され、血清尿酸値が上昇する原因となってしまうので注意が必要です。

毎日のウォーキングや、週3日程度の適度な負荷をかけた運動を継続して行うことが効果的です。

 

減量

BMI (体重kg÷[身長m]2) 25未満

皮下脂肪型肥満は尿酸の排泄が悪くなり(尿酸排泄低下)、内臓脂肪型肥満は尿酸が過剰に作られる(尿酸産生過剰)という報告があり、肥満は高尿酸血症のリスク因子です。

肥満のある方は食事療法や運動療法を取り入れて、標準体重に少しでも近づけるようにがんばりましょう。

 

節酒

エタノール換算で男性 20-30mL/日以下、女性 10-20mL/日以下

アルコールは、その代謝過程で尿酸の生成を促進します。

特に、ビールや蒸留酒(ウイスキー・ブランデー・焼酎など)の摂取量が増えるほど発症率は高まります。

 

水分補給を十分に行う

腎臓から尿酸の排出を促進するために、水分補給を十分に行うことも重要です。

脱水状態が改善されるだけでも血清尿酸値は低下することがあります。

 

ストレスの解消

ストレスがたまると交感神経系が亢進して尿酸の排泄が低下したり、ストレス発散のために暴飲暴食をすることもあります。

また、痛風発作はストレスがたまっているときに起こりやすいともいわれており、十分な休息と運動などを日常生活にうまく取り入れて、ストレスを解消できる生活スタイルを考えてみましょう。

 

普段の食事や運動、飲酒などの生活習慣に気をつけて、痛風を予防しましょう。




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