食事療法

高血圧の食事療法

投稿日:

最大の原因は食塩の過剰摂取

高血圧の食事療法は、最大の原因である食塩の過剰摂取を特に注意し、適切な摂取エネルギーかつ栄養のバランスのとれた食事をすることが大切です。

また、飲酒をする場合は、自制が効かなくなったり濃い味付けの食品を選びやすくなるため、飲酒を控えることも大切です。

 

適正体重へ近づける

肥満は血圧の上昇に影響します。(肥満と高血圧)

肥満を伴う場合は肥満の食事療法を実践し、適正体重へ近づけましょう。

 

食塩を減らしましょう

食塩の過剰摂取は、血圧を上げる最大の原因です。

高血圧の方の食事では、1日の減塩目標である6 g未満を守ることが大切です。6 gといえば小さじ1杯程度の量なので少なく感じるかもしれませんが、ちょっとした工夫で簡単においしく減塩することができます。

 

食塩量の求め方

食品をこ運輸する際は、栄養成分表示をしっかり確認しましょう。
「ナトリウム」と示されている場合は、以下の計算方法で食塩量を算出することができます。

ナトリウム(g) × 2.54 =食塩量(g)

※ ナトリウムの単位がミリグラム(mg)で記載されている場合は、1000で割ってグラム(g)に直します。
[ナトリウム(mg) × 2.54] ÷ 1000 =食塩量(g)

※ ナトリウム 400 mgは食塩量約1 gです。

 

動物性脂肪を控える

高血圧は長期的に血管への圧力がかかり、動脈硬化の原因となります。

動脈硬化を予防するために、肉だけに偏らず魚や豆腐もとり入れましょう。

動物性脂肪(バター・肉の脂身など)は、血液中のコレステロールを増加し、植物性脂肪や魚油(イワシ、サンマなどの青魚)には減少させる作用があります。(脂質異常症と食事療法)

 

飲酒を控える

飲酒の習慣は、血圧を上昇させる原因となります。(高血圧の症状と原因)

エタノール換算で、男性は1日あたり 20~30 mL以下が適量とされ、これは日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎半合弱、ウイスキー・ブランデーダブル1杯、ワイン2杯弱に相当します。

女性はその約半分の10~20 mL以下を適量としています。

アルコールの適量の目安(1日あたり)

・ビール 中瓶1本(500mL)
・日本酒 1合(180mL)
・焼酎(35度) 2/5合(約70mL)
・ウイスキー ダブル1杯(60mL)
・ワイン 2杯弱(200mL)

 

栄養バランスの良い食事をする

1回の食事量に気をつけ、主食・主菜・副菜をそろえて、栄養バランスの良い食事をしましょう。

主食は、できるだけご飯や玄米を選びましょう。パンや麺類には、食塩が含まれているので注意してください。

日本人が好む副菜の漬物・佃煮類は、少量であっても食塩量が多いのでなるべく控えましょう。

また、外食や市販の食品は基本的に味付けが濃く食塩量が多いので、栄養成分表示を確認してから購入しましょう。

 

 

食塩摂取量を減らすコツ

 

高血圧ではまず塩分制限から行いますが、塩辛い味を好む日本人の食文化ではなかなか減塩目標である6 g未満を守ることができません。

塩分制限について、食べ方や調理を工夫するコツを以下に示します。

 

食べ方1  みそ汁は1日1杯で、具だくさんにする

我が国は「一汁三菜」といって、食事には日常的にみそ汁が出てきます。

みそ汁1杯には約1.5〜2 gの塩分が含まれており、毎食飲んでいる場合はそれだけで4.5〜6 gの食塩を摂取することとなります。

みそ汁を毎回飲まなければならない必要はなく、飲む回数を1日1回にしたり、お湯で薄めて飲むようにしてください。

また、野菜やきのこで具だくさんにすると、具材の旨味が出て減塩しやすくなり、汁の量も減らせます。

なお、ラーメンやうどん・そばのスープは全て飲むと5 g以上の塩分摂取量となるので、高血圧の場合は必ず残すようにしてください。

 

食べ方2  しょうゆ・ドレッシング類は
「かける」のではなく「少しだけつける」

サラダやフライなどにかけるドレッシングやソース類は、直接かけるとかけすぎてしまうことが多く、小皿に入れて少しだけつける程度にしましょう。

ただし、たっぷりとつけてしまうとかえって塩分摂取量が多くなるので、あくまで「少しだけ」を意識しましょう。

 

食べ方3  加工食品より新鮮素材を選ぶ

加工食品の濃い味付けに慣れてしまうと、薄味の食事を物足りなく感じがちです。

一方、旬の食材には素材本来の旨味があり、薄味で調理をしても美味しく食べられます。

干物にも塩分が多く使用されているので注意しましょう。

加工品の塩分量 (1食分の重量あたり/約)

ウインナー(3本) 45 g中    0.9 g
ベーコン(1枚) 20 g中      0.4 g
ロースハム(1枚) 20 g中  0.4 g
魚肉ソーセージ 50 g中      1.1 g
さつま揚げ(1枚) 50 g中  1.0 g
カニ風味かまぼこ 30 g中    0.7 g

 

食べ方4  食物線維をたっぷり食べる

野菜や海藻類に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出させる働きがあります。

また、食物線維には腸内でナトリウムが過剰に吸収されることを防ぐ作用もあります。

食物線維が不足しがちな場合は、温野菜にしてみたり、具だくさんのスープを作ってみたり、ミニトマトやきゅうりなど冷蔵庫を開ければすぐに食べられる野菜を常備しておくというのも良い方法です。

※ 腎臓に病気のある方は、カリウムを控える必要があります。

 

調理法1 ダシで旨味をきかせる

ダシの旨味をきかせると、調味料が少なくても満足感が得られやすいです。香りや風味を生かした調理法が基本です。

昆布、しいたけ、削りガツオなどで濃いめにダシをとり、調理に活用しましょう。

ただし、市販のダシの素には塩分が含まれているものがあるので、よく確かめてから購入しましょう。

手軽にダシを活用するコツ

・干ししいたけなど乾物の戻し汁を加える
・刻んだ昆布や削りガツオを調理する際に加える
・ボトルなどに水と昆布を入れ一晩浸しておく
・トマト、玉ネギ、にんにくなど、野菜の旨味を活用する

 

調理法2  レモンや酢などの酸味を活用する

酸味をきかせると、味が引き立ち、塩分を減らしても物足りなさを感じにくくなります。

しょうゆを酢やかんきつ類の果汁で割る、塩やソースを控えてレモン汁をかけるなどの工夫をしてみてください。

また、隠し味に「砂糖+水+油」を加えると、酸味がやわらいでまろやかになります。

 

外食での注意

外食や市販の食品は基本的に塩分使用量が多く、味付けを濃くすることで保存性を高めたこれらの食品は、少量でも塩分過多になりがちです。

また、漬物や佃煮などはご飯がすすむため、食べ過ぎにもつながります。定食やお弁当についてくる漬物などは、残すようにしましょう。

外食で減塩するコツ

・弁当や惣菜についているソースやタレは使わない
・汁物や麺類は具だけを食べて、スープは残す
・漬物は残す
・かけ麺よりもつけ麺を選ぶ
・塩分が多い脂っこいおかずは控える

 

おまけ 減塩調味料の注意点

日本人の塩分摂取量のうち、およそ90%はしょうゆやみそなどの調味料と、それを含む加工食品といわれていますが、最近ではさまざまな減塩調味料が市販されています。

減塩しょうゆや減塩みそ、減塩タイプのダシの素など、使用量は通常通りで味わいもほぼ変わらず、塩分を大幅カットしたものがたくさん市販されており、高血圧の食事の強い味方となっています。

しかし、せっかくの50%カットの減塩調味料でも、2倍使用すれば減塩効果はゼロです。

減塩調味料は上手く取り入れながら、使い方に気をつけて減塩効果を高めましょう。




-食事療法

Copyright© 医療情報サイト , 2020 All Rights Reserved.