食事療法

肥満の食事療法

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食事療法+運動療法が基本

 

消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば痩せます。

したがって、肥満の治療は、食事療法+運動療法が基本となります。

 

摂取エネルギーの算定基準

「肥満症診療ガイドライン2016」(日本肥満学会)では、ダイエット目的の食事療法は以下の設定が推奨されています。

BMI 25.0〜34.9 kg/m2の肥満では、

一日の摂取エネルギー量の算定基準は、25 kcal ×標準体重(kg)以下より開始し、
3〜6ヵ月で、現在の体重から3%以上の体重減少を目指します。

BMI ≧ 35 kg/m2の高度肥満症では、

一日の摂取エネルギー量の算定基準は、20~25 kcal×標準体重(kg)以下とし、
個人の病態に応じて、現在の体重から5~10%の体重減少を目指します。

 

これは、現在体重の3〜5%の体重減少によって、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの内科的疾患の検査項目が改善するという多数報告に基づいています。

なお、高度肥満症で減量が得られない場合、一日の摂取エネルギー量を600 kcal以下の超低エネルギー食の選択を考慮します。

 

規則正しく食べる

基本的に食事療法は、1日3回規則正しく、腹八分目を心がけて、バランスよく食べます(バランス食の推奨)。

また、糖分の入った飲料水を含めた間食を控え、消化器官を休まさせる時間を設けることが重要です。

 

ただし、合併症のない場合のダイエット目的である場合は、必ずしもこの限りではありません。

1日1〜2食であってもドカ食いにならなければ効果は現れますし、プチ断食を取り入れたり、食べても良い時間枠を設けてその時間外は食べないようにするなど、ダイエットの方法は数え切れないほどあります。

これらは応用編のため、肥満以外に病気のない場合は色々と試して自身に合う継続可能な方法で食事療法を行ってもかまいませんが、偏食にならないように気をつけて栄養素のバランスには注意しなければなりません。

 

栄養バランスの良い食事をする

減量中は食事へのこだわりが強くなったり、決まったものを食べ続けるなど、栄養バランスが乱れやすいため注意が必要です。

1回の食事量に気をつけ、主食・主菜・副菜をそろえて、栄養バランスの良い食事をしましょう。

主菜は、刺身や焼き物、煮物、蒸し物など低脂肪の料理を選ぶとよいです。

油の多い料理(揚げ物、中華料理など)は、食べる頻度や量に気を付けましょう。テフロン加工のフライパンや、ノンオイルドレッシングなどを使用することで、油の量を減らすことができます。

また、油を使用する場合はオリーブオイルに変更しましょう。

 

どうしても高エネルギーな揚げ物などを食べたい場合は、同じ量であれば「小さいものを複数」食べるよりも、「大きめのものを一つ」食べるようにしましょう。また、衣の厚いフライやてんぷらよりも、衣の薄い唐揚げや素揚げを選ぶとよいです。

厳格な食事制限中は脱水状態にもなりやすく、こまめな水分補給(もちろん糖分の入っていない飲料水)を心がけましょう。

 

 

エネルギー摂取量を減らすコツ

 

肥満やメタボリックシンドロームでは、とにかく内臓脂肪を減少させることが重要です。

食べ方や調理を工夫するコツを習得しましょう!

 

遠慮なく残す

食事を食べ始めると、どうしても完食するまで食べ続けてしまいがちですが、減量中は遠慮なく残してください。

腹八分目以上に食べてしまうと消化器官に負担がかかり、胃も拡張してしまって良いことはありません。

実は、完食する前に「あなたの空腹感はすでに満たされている」ことがほとんどです。

 

一品料理ではなく定食を選ぶ

手軽に食べられる丼物や麺類などは、炭水化物と塩分が多く栄養バランスが偏りがちです。

できれば、主食・主菜・副菜がそろった定食を選びましょう。

単品料理を食べる場合は、野菜が入った小鉢などをつける、できるだけ具の種類が多いものを選ぶなどの工夫をしましょう。

また、外食や市販の食品は、栄養成分表示を確認してから購入しましょう。

 

夕食が遅くなる場合は間食をうまく使う

仕事で帰宅時間が遅くなる場合など、昼食から夕食までの間が長くあいてしまうと、遅い時間にドカ食いをする危険性があります。

ヘルシーな内容で少なめの量にすることは非常に重要ですが、どうしても空腹感が強くて食事療法を守れそうにない場合は間食をうまく使いましょう。

例えば、夕方に勤務先でおにぎりなどの主食を食べて、帰宅したら主食以外の主菜・副菜を食べるようにすれば、1日あたりの摂取量は守ることができます。

ただし、間食も夕飯もしっかりと食べてしまうと、エネルギーの過剰摂取となるので注意しましょう。

 

よく噛んで、味わいながら食べる

ひと口にかむ回数を増やすだけでも減量効果がありますが、これは口の筋肉を動かしてエネルギー消費につながるだけでなく、早食いや大食いを予防することで脳にある満腹中枢を刺激し、食欲を抑えることができます。

また、よくかむことで食材自体の旨味を引き出すことができます。

ひと口食べるごとに箸を置いて、口の中で固形物がなくなるまで十分にかむと、なお効果的です。

なるべく「かみごたえのある食品」を選び、かむ回数を増やしましょう。

かみごたえのある食品の例

・ご飯→麦ご飯
・食パン→フランスパン
・ハンバーグ→ポークソテー
・マグロの刺身→イカやタコの刺身
・いもの煮物→ごほうやれんこんの煮物

 

食物線維をたっぷり食べる

野菜や海藻類、きのこ、こんにゃくなどに含まれる食物線維は、糖質やコレステロールの吸収を緩かにし、食後血糖値の上昇を抑えるなど、メタボリックシンドロームの改善にも有効です。

食べる順番については、「(最初に)食物線維→汁物→蛋白質→(最後に)炭水化物」の最初と最後の順番を守るだけでも効果的であり、食物線維が消化管粘膜に貼りついた状態を最初に作っておくことで、その後に消化管を通過した食べ物の吸収がゆっくりになります。

また、食材の切り方や盛り付けを工夫することで量を多く見せるることもできますので、控えめにしたい食べ物については自分の目を上手く錯覚させながら、食物線維はたっぷり食べるようにしてください。

 

毎食前にキャベツをかじると効果的

特に私は、「キャベツをガリガリとかじる方法」を推奨しています。

キャベツの千切りではなく、ひと玉を8等分くらいに切って毎食前にかじってもらうと、それだけでも満腹中枢を刺激することができ、食事量を抑えることができます。

ただし、糖分やカロリーの高いドレッシングはかけないようにしてください。

その他に食物線維の摂取量を増やす方法としては、温野菜にしてみたり、具だくさんのスープを作ってみたり、ミニトマトやきゅうりなど冷蔵庫を開ければすぐに食べられる野菜を常備しておくというのも良い方法です。

 

スナック菓子、揚げ物、ファストフード依存の改善方法

ご飯などの炭水化物のエネルギー量は1 gあたり4 kcalなのに対し、脂質(油)は9 kcalあります。

そのため、スナック菓子、揚げ物を食べる機会を減らすだけでも摂取エネルギーを減らすことができます。

また、ファストフードはフライドポテトなどとセットで注文するよりも、単品+サラダの組み合わせを選びましょう。

スナック菓子は、まずは大袋から小分けの小袋に変更し、小袋で慣れてきたら小袋を数回に分けて食べるようにし、徐々に菓子類を食べない環境に変えていきましょう。

菓子類はあなたにとって良質な栄養ではありませんから、食べる必要はありません。

 

飲酒を控える

アルコールは高エネルギーですが、その他の栄養素はほとんど含まれていないため「エンプティカロリー」と呼ばれています。

つまり、カロリーがないという意味ではなく、栄養素がないという意味なので誤解しないでください。

飲酒は食欲を増すため、食べ過ぎにつながりやすく、酔うと自制も効かなくなるため注意が必要です。

付き合いで飲酒する際も、適量を守ることが大切です。

アルコールの適量の目安 (1日あたり)

・ビール 中ビン 1本(500 mL)
・日本酒 1合(180 mL)
・焼酎(35度) 2/5合(約70mL)

※ 純アルコールで約20 g
※ 女性は男性よりも少ない量が適当




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