骨粗鬆症

塩分と腎結石、骨粗鬆症、胃がん

更新日:

  塩分と意外な病気の関係

高血圧の種類と原因で書いたように、塩分の摂り過ぎによって高血圧の状態が続くと血管や心臓に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患をはじめとして、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全など、多くの病気のリスクが上がります。

また、循環器内科領域の病気だけでなく、腎結石、骨粗鬆症、胃がん、喘息など様々な病気のリスクも上がるという報告も出ています。

 

腎結石や骨粗鬆症の原因は「塩分の摂り過ぎ」?

塩分とカルシウムの関係についてはあまり一般的に知られていないかもしれませんが、実は塩分の摂り過ぎによって、腎臓に石ができる腎結石や、骨が脆くなって骨折の原因となる骨粗鬆症が起こりやすくなります。

 

腎臓の近位尿細管という部位ではNa-Ca 共輸送体によってCa 再吸収の調整をしており、食塩(NaCl)の摂取量が多いと腎臓から尿中へのナトリウム(Na)排泄量が多くなり、その一部がカルシウム(Ca)に置き換わり、尿中のカルシウム排泄量が増加することが腎結石の原因とされます。
その際には骨を溶かすことで血中から尿中へカルシウムを排泄させようとするため、塩分の摂り過ぎは骨粗鬆症の原因ともなります。

このように、カルシウムは血中のナトリウムをNa-Ca 共輸送体によって体外に排泄する働きがあるため、カルシウム不足によりNa-Ca 共輸送体が働かなくなり、血中のナトリウム濃度が高くなると、高血圧になることが知られています。

 

したがって、塩分の摂り過ぎによる高血圧と骨粗鬆症は互いに影響しながら進行していきます。

なお、塩分の摂り過ぎは尿中へのナトリウム排泄量を増加させ、夜間尿量の増加に影響を与えるとも考えられています。

このため、カルシウム制限食やナトリウム制限食の食事療法によって夜尿症や夜間頻尿への取り組みも海外を中心に報告されていますが、日本人の1 日カルシウム摂取量は目標値に到達していないことが多く、ナトリウムの過剰摂取が目立つため、日本人にとってはカルシウム制限食は避けるべきであり、塩分制限によって尿中カルシウム排泄量を減少させるという治療が適切と考えられます。

 

胃潰瘍や胃がんの原因も「塩分の摂り過ぎ」?

食塩の摂取量が多い地域では胃がんの発症率も高いというデータがあり、この原因として胃潰瘍や胃がんのリスクとなるピロリ菌が関係していると考えられています。

ピロリ菌は塩分が多い環境下で増殖しやすいと言われており、食塩の過剰摂取によって胃の内部がピロリ菌の温床になります。

 

このように、食塩の摂り過ぎは、高血圧だけでなく多くの病気の原因となり、健康に悪影響を及ぼします。したがって、高血圧の人だけでなく、血圧が正常な人も食塩を制限することが望まれます。




-骨粗鬆症

Copyright© 医療情報サイト , 2020 All Rights Reserved.